YodokonPlazaOnline
Home > YodokonPlazaOnline > Vol.66

VOL.66/7,2003

INDEX
  1. ●特集●《合唱祭レポート》
    『ある合唱人の長〜い一日』
  2. 《合唱祭》スケジュール表
  3. LINER NOTES by Itoh Keishi
    〜夏近づき、身の回りの報告〜
  4. ●REPORT●わたしのコンサート評その1
    『スウェーデンの合唱曲の想い出』
    〜スヴァンホルム・シンガーズ〜
  1. ●REPORT●わたしのコンサート評その2
    『Joint Concert 2003「こいうた〜伝えたい想い〜」
    神戸大学混声合唱団アポロン・大阪教育大学混声合唱団・大阪市立大学合唱団フリーデ』
  2. はる・Kの演奏会情報
    −心の財産を見つけてみよう−
  3. こまっちゃんの●How do you do?●
  4. ●姐の内政だより●
  5. ●編集後記●



よどこんプラザ7月号
#################################

演奏会まで あと。。。

合唱祭レポート


#################################


演奏会のお知らせ

淀川混声合唱団 第15回演奏会
2003年9月14日(日) 受付12:30
開場13:30
開演14:00
いずみホール

第1ステージ 夕べにスウェーデンの抒情
第2ステージ R. Cayabyab MisaよりGloria
第3ステージ ニーステッド合唱曲集 (客演指揮:飯沼京子
第4ステージ 感傷的な二つの奏鳴曲 (作詞 金子光晴/作曲 高嶋みどり/指揮 伊東恵司/ピアノ 細見真理子)


●特集●

《合唱祭レポート》

『ある合唱人の長〜い一日』

非音楽的なベルの音が男の惰眠を覚ました。
「…長い一日になりそうだ」男は誰知らず独りつぶやいた…

かどうかはともかく、いつもよりかなり早起きした僕は、林ご夫妻の車に便乗させて頂いて、10時ごろに貝塚の地に降り立った。

朝イチからジュニアの合唱を連続で聴く。同じ童声であっても各団個性がハッキリしていた。
中でも畷ジュニアの楽しそうに歌う姿と丸みを帯びた響きが印象的だった。
畷のみならず、ジュニアの面々にはこれからも長く幅広く豊かな音楽体験をしていってほしいものである(そしてゆくゆくはよどこんへ…)。

ジュニアを聴き終えたら、お次は我らが伊東「先生」による指揮者講習会に参加。
周りを見渡すとどこかで見たような顔、顔、顔(笑)。
練習曲は“GOD BE IN MY HEAD”by J.Rutter。個人的には大学一回生のときに歌って以来の思い出深い曲。
緊張気味ながら各人各様に練習を進めていく指揮者のタマゴやヒナ鳥たちに「若いなぁ」と感じてしまった当方、大学四回生(二度目)。

引き続いて連盟大合同の練習へ。
講習会のときは余裕のあった福祉センターの一室が一転すし詰め状態に。
三善先生や西岡先生の、声はすれども姿は見えず。人いきれに酔いながら、多少不安な状態で練習終了…。

ダッシュで大ホールへ移動し、連盟大合同のステージへ。
曲は『葉っぱのフレディ』。本邦「二演」。
個人的には練習不足で、うたの世界に入りきれず不完全燃焼。再挑戦の機会望ム。
とはいえ、直前の練習では冴えを欠いていたジュニアの声が、本番では輝きを取り戻していたし、なんとか無事に演奏終了。
大人数の中で歌うのは良くも悪くも気楽なものだ。良い方に出ればいいのだが、今回は悪くの方が強く出てしまったな…と個人的に反省しつつ、よどこんの集合場所へ。

(よどこんについては改めて僕がレポートすることでもないので割愛。)

よどこんが終わると休む間もなくなにコラの団員集合(ちなみに僕はなにコラの団員でもあります)。
「さわやかに、かっこよく」、“El Carbon”を熱唱、“Gentle Annie”をジェントルに歌いあげた…つもりである。

なにコラの舞台が終わると、今度は中ホールに移って大学合同の練習へ。
今年は大学合唱団員ではなく(既にOB)、「規格外」メンバーとして参加。
昨年はこの合同練習の時点で曲がまともに通らない状態だったのを一時間で「音楽」にしてしまう、という伊東マジック(?)を体験。
果たして今年は、と思っていたら、練習冒頭からちゃんと通っていて一安心。合唱初心者が多くて大変、と聞いていたわりには声も結構出ていて驚いた。
大阪府大学合同の未来は明るそう。京都の大学合同より勢いがある。

で、そんな勢いに乗って大学合同本番へ。
曲目は『ひとつの朝』(小学生のときに聴いて以来)、『おんがく』(大学一回生のときに歌って以来)という懐かしい二曲と、東京混声合唱団版『となりのトトロ』(アカペラ)。
このトトロがなかなかの曲者で、リズム音痴集団ベースの一員たる僕は結構苦戦。
しかしながら、心なしかいつもより丁寧な伊東さんの指揮のもと、いい意味で気楽に歌うことができた。

そして最後に待ち受けていたのは『大地讃頌』。
「京都合唱祭のクロージングもこれだったぞ」と思いつつ、よどこん、なにコラ、葡萄の樹(筆者はここの団員でもあります)でやったら伊東さんにメッチャ怒られるであろう絶叫歌いをぶちかました。あぁスッキリした(伊東さんゴメンナサイ)。

こうして、男の長い一日は終わった…ハズであった。
しかし男は気付いていなかった。これから南海→JR環状線→阪急→京都市営地下鉄と続く長い長い帰り道が待っていることに…。

追記:
下宿に帰りついたときには22時を大きく回っていました。
ホント、長〜い一日でした。

村田和寛


第40回大阪府合唱祭 スケジュール表 6月22日(日)のみ

大ホール(時刻順・団体名)
09:30
開場
10:00
開演 オープニング&入場行進
10:301池田ジュニア合唱団
10:382阪南市少年少女合唱団
10:463畷ジュニア・ハーモニー
10:54
ジュニア部会合同合同演奏
11:044東大阪第九シンフォニー合唱団
11:115大阪大学混声合唱団
11:166近畿大学文化会グリークラブ
11:237女声コーラス ひかり
11:308創価学会関西コーラス
11:379関西大学グリークラブ
11:4410甲南大学グリーOB会「甲陵会」
11:5111AVECハーモニー
11:5912大阪女子学園高校音楽部
12:0613清教学園中・高校合唱部
12:1714女声コーラス ベル・フラワー
12:2415グリーン・エコー
12:30休憩(60分)

13:30
連盟大合同演奏〈葉っぱのフレディ〉
14:00
入場行進入賞団体発表・表彰
14:10
休憩( 10 分)
14:2016コールつくしんぼ
14:2817島本混声合唱団1
14:3318大阪すみよし少年少女合唱団
14:4119立花女声コーラス
14:4720女声合唱団 Mai
14:5521初芝パープルエコー
15:0322関西大学混声合唱団ひびき
15:0823大阪市立大学合唱団フリーデ
15:1324淀川混声合唱団
15:2125合唱団 PHENIX
15:2826大阪シルバーハーモニー
15:3627大阪混声合唱団
15:4428かつらぎ会合唱団
15:5229大阪御堂合唱団1
15:5730府立清水谷高校合唱部
16:05
休憩(15分)

16:2031大阪薬科大学混声合唱団
16:2732創価学会関西男声合唱団
16:3233大阪教育大学混声合唱団
16:3934なにわコラリアーズ
16:4735グレース コーラス
16:5636女声合唱 ゆきやなぎ
17:0337オクリーエコー
17:1038泉の森Harmony
17:1839府立布施高校音楽部OB会「凛唱会」
17:2540住友金属混声合唱団
17:3241Outsider
17:4042淀工グリー・メンズウィード
17:5343プリマヴェーラ
18:0044女声合唱 花綵
18:0645南港混声合唱団
18:1346ミューズ混声合唱団
18:2547混声合唱団 東大阪
18:3248コーラスアンサンブル いちばん星
18:4049松下中央合唱団
18:48
大学部会合同演奏
19:03
クロージング
19:15
終演
中ホール(時刻順・団体名)
09:50
開場
10:20
開演・挨拶
10:301大阪府立大学グリークラブ
10:362カリヨンコーラス
10:433Musik Cercle
10:504女声合唱 8.4
10:565混声合唱団 コールA・O
11:026羽衣学園高校合唱班
11:107アンサンブル エヴォリュエ
11:178大阪稲門グリークラブ
11:249関西大学混声合唱団リーダークランツ
11:3010大阪外国語大学混声合唱団TEMPEST
11:3611東成ローズエコー
11:4412合唱団 隼−はやと−
11:50
休憩(15分)

12:0513泉南市女声合唱団
12:1214混声合唱団 Chor.Pure
12:1815合唱団 よしだ
12:2516太成学院大学高校音楽同好会
12:3217リンデンコール
12:3918混声合唱団 Nora
12:4619宝樹クワイア
12:5320関西大学グリーOB会「千里エコー」
13:0021四天王寺国際仏教大学CANTIAMO
13:0622女声合唱団 Andere*o
13:1323府立三国丘高校音楽部
13:21
休憩(59分)

14:2024布施混声合唱団
14:2725合唱団 ピュア・フレンズ
14:3426梅花女子大学合唱団
14:4127合唱団 ジ・ルウォ
14:4728混声合唱団 まんさく
14:5429コールアカデミー関西OB会
15:0130大阪学院大学混声合唱団Chor Kreis
15:0631阪音会合唱団
15:1332大阪外国語大学女声コーラス部
15:20
休憩(15分)

15:3533中百舌鳥グリークラブ
15:4234大谷女子大学合唱団
15:4935合唱団 天上花火
15:5636夕陽丘混声合唱団
16:0237府立高槻北高校合唱部
16:0938ENSEMBLE GRACE
16:1639大阪府警察合唱団・北陽高校グリー
16:2740帝塚山少年少女合唱団
16:3441Chor Meise
16:45
終演

17:00
大学部会合同練習
18:00

福祉センター
11:20〜12:20講習会 講師:伊東恵司
12:30〜13:10連盟大合同練習
14:30〜15:30講習会 講師:ワイルドローバーズ


LINER NOTES

LINER NOTES


〜夏近づき、身の回りの報告〜


6月に入ってから予想通り自転車操業状態になっていますが、何とかちゃんと仕事もしています。例によって学生との音楽作りの時間も多くあったのですが、このことについては取り組みの中から得ることもたくさんありました。大阪府合唱祭の大学合同を始めて2年目となりますが、最初の練習で十数人しかいなかった昨年より確実に参加人数も増えました。合唱を始めたばかりの一年生が多かったのですが、合唱の喜びや楽しみ、大人数合唱の醍醐味を味わってくれとするならばありがたいことです。メールでも書かせてもらいましたが、「CCDと早稲田」のジョイント、大阪の3団体ジョイント「こいうた」は非常に印象深いステージとして記憶に残っています。常々「合唱とは出会いである」と思い続けている私にとってはこういった取り組みの中で出会った学生らと将来また合唱を通して再会すること等を夢想するものです。長らく連絡とっていなかったCCDの東京在住の同級生(OG)が、こっそりジョイント演奏会場に来てくれていたのには驚きました。「曲との出会い」「詩との出会い」「歌うこととの出会い」そして「人や仲間との出会い」…合唱を巡る活動は常に「出会いに満ちた」ものであると思います。そして、常に出会いに導かれた場面では「一生懸命に関わる」気持ちを持ち続けていかないといけないなと思いました。

さて、「よどこん」ですが、ぜひ良い演奏会を目指しましょう。
合唱祭では「よどこん」のメンタルの弱さが露呈したようにも思います。合唱とは「一人では出来ない」取り組みであると同時に、仲間や組織や自分に対する甘えとのせめぎ合いでなくてはなりません。エクスキューズの少ない一生懸命の取り組みをしたいと常に思っています。

==
言語について、何度も繰り返しになりますがコメントしておきます。規則性やカタカナに置き換えた読みはプラザを参考にしてください。

1番大事なのがアクセントの位置(逆に言えばアクセントない部分を曖昧母音で軽く発音)
2番目に二重母音(二つ目を曖昧に)
3番目に二重子音のタイミング

合唱を趣味にし、外国の曲にも積極的な興味を持っている合唱団としては外国語の歌を歌う時の「つぼ」をマスターしていただいて、世界の音楽の豊かさを味わっていきたいものです。演奏会まで2か月。ぜひとも積極的なチャレンジと音楽に対する強いアプローチをお願いします。

伊東恵司(いとうけいし)


●REPORT●  わたしのコンサート評その1

『スウェーデンの合唱曲の想い出』
〜スヴァンホルム・シンガーズ〜
於:伊丹アイフォニックホール(2003年6月26日(木))


坂口和彦

 よどこんが今年スウェーデンの曲をとりあげるのと時期を同じくしてスヴァンホルム・シンガーズ(以下、スヴァン)が3度目の来日を果たしました。スヴァンはスウェーデン南部のルンド大学男声合唱団出身者を中心の全員が二十歳台で組織された20人規模の男声コーラスで、結成後まだ十年足らずの若い合唱団です。1999年に初代指揮者エヴァ・ブーリンと共に初来日し宝塚室内合唱コンクールにて総合1位グランプリに輝いたことで日本の合唱ファンから注目されることとなりました。その後指導者が現指揮者であるソフィア・G・エーベルハルトに交代し現在に至っています。2度目そして今回の来日ではこのソフィアが指導に当たっています。外国の合唱界では女性の指導者が多く活躍していますが、スヴァンを指導する2人も女性です。

 演奏会は全て北欧のア・カペラ合唱曲により構成されていました。スウェーデンを中心に、フィンランド、ノルウェーの作曲家によるオリジナル合唱曲と民謡の編曲で、全部で約20曲を前・後半に分けて歌いました。よどこんが演奏する曲の中からはH・アルヴェーンの「夕べ」と「娘は輪に入って踊る」の2曲がプログラムにありました。聴きに行った方々が演奏にどのような印象を持たれたか興味のあるところです。自分は、オリジナル作品と編曲作品に対する大胆な解釈の違い、楽譜に忠実な部分と全く違う部分等々、大いに勉強になりました。そして音楽のふところの深さを感じて嬉しくなりました。「真摯に立ち向かえば音楽は何でも受け入れてくれる」と信じて、よどこんで自分たちのやりたい音楽を聴かせたい、そう思いました。

 「素晴らしかった」演奏会の感想です。
特筆すべきは、まず、「これが自分たちのやりたい音楽です」のアピールが感じられたことです。つまり、楽譜から離れたところに彼らの居場所(メッセージそのもの)があったのです。このことはその場に居る他人を幸福にします。誰も置いてけぼりを食わないのです。音楽は演奏者と聴く人がいて初めて成り立つということ、同じ時間を共有できる幸福感、を思い出させてくれました。合唱通だけでない子供たちまでもが楽しそうに反応していたと思います。それを見て感じてまたこちらも幸せになる、相乗効果ですね。CDでは味わえないライブの喜び、コンサートの醍醐味。人に伝えるための最も大事な何かをはっきり観た気がしました。これを指して音楽を楽しむと言うのでしょう。

 上に書いたことが感じられる演奏ならば技術的なことは大した問題ではありません。が、スヴァンは技術面でも一流でした。やわらかい響きの弱声から割れんばかりのフォルテまでダイナミックレンジが驚くほど広い(23人で驚異的!!)。美声(しかもシロウト臭さが残っているのが魅力的)で、しかもハーモニーは全くと言ってよいぐらい崩れない。「耳」で音楽をつくっていました。北欧のオリジナル合唱曲を演奏するのにハーモニーは命であると思います。「伝えたいもの」がまずあって、その上に立ったところの演奏技術。艶(つや)のある美声を聴かせようとか正しい音程でハモらせようとかではなく、情景・場面に合った音を作ろうとしているように感じました。

 指揮者のソフィアですが、演奏会終了後彼女に面会を申し出たら快く会ってくれました。1972年生だからまだ30歳そこそこ、こんなにもエレガントできゃしゃな人物からあの音楽が、と改めて驚きました。感動したことを私なりに伝え(CDにサインももらった)、次回のコンサートでやってほしい曲のリクエストまでしてきました。柔らかい不思議な振り方はエリク・エリクソン(スウェーデン出身の世界で最も崇拝されている合唱指揮者の一人、まだ現役)にどことなく似てました。客演に呼びたいと思ったのは私だけでしょうか。

 さて、自分にとってスウェーデンの曲との出会いは1985年に遡ります。大学院の学生だった当時、個人でヨーロッパ合唱祭(ストラスブール、仏)に参加しました。そこで初めてルンド大学男声合唱団の歌声を聴きました。30人程のコーラスで、聴いたこともない曲&自在のハーモニーに度肝を抜かれました。「上手い。スウェーデンでも合唱をやっているのか」、合唱王国を前に何も知らない自分でした。彼らに楽譜を見せてもらいましたが、難解なアルファベットを見て「これは手に負えない」と当時まだ大学合唱しかほとんど経験のなかった自分は「外の音楽」と切って棄てました。自分がやってきた合唱スタイル(大学グリー)こそが最高という閉鎖的感覚の中にいたんですね。

 しかし、合唱音楽にのめり込んでいく中で北欧の合唱が自分の中で重要な位置を占めるようになるまでそう時間はかかりませんでした。1989年にストックホルムへ行く機会がありそのときには北欧の合唱曲のCDを買いあさりました。私が作曲家H・アルヴェーンの存在を知ったのはそのときです。以来、いつかはスウェーデンの曲をやりたいと思っていました。3年前、所属する男声合唱団で自分が指揮してアルヴェーンの合唱曲を5曲(「夕べ」「娘は輪に入って踊る」も入っている)やるまでは日本ではほとんど演奏されたことはなかったと思います。このときはスウェーデン語の辞書と格闘して発音を調べ訳詞も作りました。秦野さんの苦労(よく勉強されています。すばらしい)が思いやられます。今回、自分は混声合唱と男声合唱の違いを楽しみながら歌っています。よどこんが目標とする方向(伊東くんがいつも言っている)の中に個人個人が「楽しい」と思えることを設定しましょう、これが大事です。楽しくないとすればどこか間違っているのでそれを冷静に考えることです。よどこんが成長する大きなヒントでしょう。スヴァンを観てその楽しさに、よどこん全員でハッピーになりたい、強くそう思いました。「型」より先に「メッセージ」のある音楽をやりたい。今の本心です。

 スヴァン、久々に本物を観た、そんな印象でした。とにかく素晴らしい、の一言です。聴衆を理屈抜きに楽しませる、という点で。

 良い音楽に触れた後、3人の美女に囲まれての食事は美味しかったです。ねえ、○○ちゃん、△△ちゃん、□□ちゃん。

(2003.7.4)


●REPORT●  わたしのコンサート評その2

『Joint Concert 2003「こいうた〜伝えたい想い〜」
神戸大学混声合唱団アポロン・大阪教育大学混声合唱団・大阪市立大学合唱団フリーデ』
於:吹田市文化会館メイシアター大ホール(2003年6月29日(日))


梅雨真っ只中のこの時期はいわゆるJOINTラッシュで、様々な大学合唱団の合同演奏会が毎週のようにあちこちで、多い日は一日に数箇所で開催される。余りにも多いのでとても全部はチェックしきれず、自分なりの優先順位をつけてピックアップして足を運んでいる。そんな中で、ここ数年「新しい歌」「ノスタルジア」等で学生にも人気の信長貴富氏の「こいうた」を合同曲に選び、タイトルをそのまんま持って来た今回のこのJOINTは、一番姐的期待度が高かった。チラシの学生さんの手描きイラストが何とも可愛いらしくて、ワクワク感を一層かきたててくれた。

まず各団のエール交換。…まぁこんなもんか。混声のエールは大抵ハモリ重視に過ぎて、グリーと比較してやや大人し過ぎて、ややもすれば消極的な印象を与える。しかもハモッてなくて聴いてて(何がしたいん?)と欲求不満が溜まる傾向にあるケースが殆どだけど、今回の3団はどこも元気、声はよく出ている。やっぱりハモりはやや厳しかったが。

それは単独演奏においてもほぼ同様の傾向にあった。アポロン「猫祭」、大教混「家族あわせ」、フリーデ「旅の途の風に」…どれも聴いた事のない曲ばかり。いずれも邦人作品だったので、取り敢えずパンフに目を落とし、歌詞を追ってみる。うんうんなるほどね。ではパンフを閉じて聴いてみてはどうか?う〜ん…やっぱり言葉。割と前の方で聴いていたのにもかかわらず、舞台からこちら側まで届いてこない。ダイナミクスの幅もしんどかったかな。フォルテだけガーン☆と元気なんだけど、そうなるとハーモニーが崩れる。声の幼さは1回生もオンステしてる事を差し引いて、これからに期待。
今回わざわざこのJOINT情報専用のホームページを作っていたり、パンフレットもイイ紙使って、お金も手間隙もかけている。その意気込み、情熱を本体である「音楽」の方にもっと注ぐべきではなかろうか。確かに宣伝活動も見栄えも大切。しかし最も大切なのは箱ではなく、箱の中身。
あと選曲に関して注文をつけると、もう一歩掘り下げて研究(勉強)されてもいいんじゃなかろうか。決して悪いとは言わないが「この団ならもっと合ってる曲がある」「もっといい曲があるはず」と感じたので。

さて本日のメインイベント、合同演奏。
前半戦が終わって、今日は「いつもの場所」はやめよっかな…と躊躇していたところ、ベースのあいしんに「姐さん、かぶりつきませんか?(ニヤ)」と誘われ、そこにしまだっちもやって来て、結局真正面の前から3列目。いつもとはちょっと違うアングル。
大学合唱はダメダメになった…とあちこちでよく耳にする。人数は激減、昔のような大物スター選手の不在、気力体力、気質のレベル低下等々。それを「昔はよかった」と過去の自慢話に終始せず、何とかテコ入れを図ろうと頑張るマエストロ、果たしてどう料理したのか。
合同ステージでは全員が私服でのオンステ。舞台がぱっと和やかに。(指揮者ももしや…)の僅かな期待も虚しく?いつもの黒服で伊東先生登場。ピアノの細見先生は朱色のつるんとシンプルな形のドレス。可憐。
各曲の前に歌詞を抜粋しての朗読。スポットライトに眩しそうに目を細めながら、それでも堂々とした学生さん達の喋り。歌と演劇の密接な関係についてはPLAZA「ライナーノーツ」でも読んだ事があるが、歌う事は演ずる事なのだと再確認。朗読、一度やってみたい。自分を試してみたい。
メイの大きな舞台から、弾けんばかりの若さが歌となって溢れ出してくる。先述の通り確かに声に幼さが残るのは否めないが「歌いたい事」は確かにこちらに伝わってきた。いかにも信長氏的な、時にジャジーだったりポップス調だったりするピアノに、歌が嬉しそうに反応しているようだった。いや、歌にピアノが反応?素敵だったからどっちでもいいか。今回の席から指揮者の表情は窺い知れなかったが、想像出来てしまった。
ただ「恋よ」と何度も何度も連呼するので、だんだん幻聴?「来いよ」「鯉よ」「濃いよ」に聴こえてきてしまい、一人笑いを堪えるシーンもあった。懺悔。

アンコールは恐らくポップス?の皆の予想は大当たり。でもまさか「らいおんハート」とは…K氏この歌知ってた?(爆)。「こいうた」とのリンクが絶妙過ぎ…一本取られた。
SMAPの元歌が流行っていた頃、酸いも甘いもとうに噛み分けて?邪悪なオトナになっていた自分は(恋愛の完成形が結婚とは限らねーよ)とかなり冷めた印象を抱いていた。なのに、めちゃくちゃ上手い訳でもなく、アレンジが素晴らしかった訳でもないのに、涙が出てきたのは何故だろう。純粋なもの、ひたむきな姿と正面から対峙した時、自然とココロは洗われるのか。

最後に…大学を出ていない自分にとって、大学合唱は夢・憧れである。大学生には今からでもなれるし(例えば社会人入試)、合唱団に年齢制限さえなければ入団は可能だ。しかし自分があの頃の…柔軟性や、青春期特有の青いガラスの破片のような、鋭さと脆さを併せ持つ感性をキープしたまま現在に至っているとは、お世辞にも断言出来ない。もう戻れはしない。だから「永遠の憧れ」なのだ。

(Alto 内山 忍)



●はる・Kの演奏会情報●
−心の財産をみつけよう−


先日、ある学生合唱団の演奏会で、わたしのすごーくすごぉーく大好きなうたを聴くことができたのは嬉しかったけれど、演奏時間制限の所為?テンポが異常に速かったのです。ゆうぅったりと、あたたかあぁく演奏すると、天から響いてくるみたいに素晴らしい曲なのになあ・・・それだけが惜しかったな。数年前、某コンクール会場で聴いた外国の団体の演奏も、今思い出してもわくわくするくらい、「ザ・神業級」だったんだけれど、タイムオーバーで入賞を逃しちゃったんだよね。
でも、聴衆のハートに響く演奏をすることのほうが、賞をゲットするよりもずっとずっとだいじなことだからなぁ。時間や何やらを気にせず、なにもかもにとらわれずにうたうことって、なかなか現代人には難しいことなのかも知れないけれど、「いい演奏を!」と思うならば、「自由な心」を持ちたいな。ね、皆さん?

JULY・7月
13・日京都府立大学合唱団サマーコンサート京都府立文化芸術会館
13・日同志社グリークラブサマーコンサート京都市呉竹文化センター
13・日藤沢男声合唱団藤沢市民会館
13・日混声合唱団京都木曜会八幡市文化センター
19・土松下中央合唱団ザ・シンフォニーホール
20・日福島県立葵高等学校合唱団会津風雅堂
20・日神戸中央合唱団神戸新聞松方ホール
21・月第14回東西四大学OB合唱連盟演奏会フェスティバルホール
21・月お江戸コラリアーず川口総合文化センター
27・日大阪混声合唱団いずみホール
AUGUST・8月
 3・日稜声会(北野高校コーラス部OB・OG会)合唱団
〜第4回北野コーラスフェスタ2003〜
箕面メイプルホール
23・土第26回全日本おかあさんコーラス全国大会(〜24日)びわ湖ホール
23・土東京混声合唱団いずみホール定期演奏会No.8
協演・混声合唱団ローレル・エコー、新しい合唱音楽研究会・関西
いずみホール
24・日合唱団ボイスフィールド伊丹アイフォニックホール
SEPTEMBER・9月
 6・土混声合唱団はもーるKOBE西宮市民会館アミティホール
 7・日大阪府合唱コンクール中学高校の部貝塚コスモスシアター
14・日淀川混声合唱団いずみホール
23.火第58回関西合唱コンクール中学高校の部いたみホール
OCTOBER・10月
11・土洛南高等学校グリークラブ京都コンサートホール
11・土第58回関西合唱コンクール一般の部(〜12・日)アゼリアホール
13・月第58回関西合唱コンクール大学職場の部アゼリアホール


●How do you do?●

こまっちゃんの
●How do you do?●


合唱祭も無事終了し,本格的な夏を迎えます。演奏会まで,体調を崩さないように,気をつけましょう。さて,今回の「How do you do?」は,学生さん,OLさん,高校教師ありと職業がバラエティーに富んでいます。お楽しみに。

※本コーナーはプライバシー保護のため、ONLINE版には若干の制限を加えています。



●姐の内政だより●


今年は胸を張って言えますが、実は20ン年来の阪神ファンです。(林パパごめんなさ〜い)
かつてよどこんには、淀虎会(まぁかっこいい字面)なるトラキチの会があったと聞いています。現在休眠中?今年「ぐらい」は復活させましょうか、かくれ虎ファンの皆さん!
タイガース快進撃にあやかって、よどこんも前進あるのみ。あやかり過ぎて8月に失速しないよう(笑)頑張りましょう。演奏会の成功と阪神優勝を祈願して(^^)v


【今後の練習予定】(2003.7.15 現在)

7月 12日(土)すてっぷ(15〜17時)&(18〜21時)
13日(日)善隣館(13〜15時)女声のみヴォイトレ
21日(祝)善隣館(13〜17時)《飯沼先生》
27日(日)善隣館(13〜17時)細見先生
8月 10日(日)未定(13〜17時)《飯沼先生》
24日(日)未定(13〜17時)細見先生
31日(日)未定(13〜17時)細見先生
9月  6日(土)未定(15〜17時)&(18〜21時)
 7日(日)未定(13〜17時)細見先生
13日(土)未定(時間未定)《飯沼先生》、細見先生
14日(日)!第15回演奏会!
23日(祝)未定
27日(土)合宿
28日(日)

※場所・時間が変更される事がありますのでご注意ください。



●編集後記●


演奏会まであと2ヶ月。長いようでも練習回数を数えたら顔面蒼白?!?!
さて、次号は「演奏会直前号」をバタバタと発行しようと思っています。発行予定日は9月6日(土)、原稿締切は8月23日の予定です。どうぞよろしくお願いします。
(A.O.)


ki-home.gif     
よどこんプラザindexへ