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VOL.25/May,1996

INDEX
  1. 電子メールって何だ?!
    特集■進展する合唱団の情報化

    アンケート●よどこん「情報化」の現状 (編T)
  2. Back to the NATURE
    第7回■地酒の酒蔵をたずねて〜
  3. Liner Notes by Itoh Keishi
    第20回■雨の日に映画館に通うこと
  4. ●木寺洋介のHow do you do?●
    3〜4月の入団者
  5. ●遠藤久顕の演奏会情報●
    5月〜7月

  6. ●NEWS●
    よどこん版『メリーポピンズ』の行方
  7. ●WITTY BREAK●遠藤久顕の位相幾何学概論
    第15回■ブラックボックス
  8. ●編集後記●

電子メールって何だ?!
特集■進展する合唱団の情報化

アンケート●よどこん「情報化」の現状(編T)
 


Back to the NATURE

第7回■地酒の酒蔵をたずねて〜

Alto 国部小夜子

3月28日金曜日、「よどこん日本の味探検隊」の4名(コクブ、メリッサ、編Yちゃん、編T氏)が日本酒の試飲に行ってまいりました。行き先は大阪市西区立売堀にある「島田商店」で、ここでは日本全国の地酒が試飲できるとのことです。今回はその時の模様を、コクブとメリッサがお伝えします。まずは「日本酒が好き」というメリッサのレポートから。

Recently four of us went to a sake warehouse shop for a tasting session. It was held under the shop in a kind of cellar. There were 2 tables set up for the tasting with about 6 people there already. We tried 5 types of sake. They were all very delicious but I couldn't really tell the difference between them. While we drank the sake we also ate miso. Then the owner gave me a glass of port to try which was very nice. He told us that if you put sake in different cups it tastes slightly different. Anyway I had a very good time and reaaly enjoyed the sake.

LUXTON

(日本語訳)
この間私たちは四人で日本酒の酒蔵店に試飲に行きました。店の地下にある蔵のようなところで行われました。試飲の用意がされたテーブルが2つあり、既に6人ぐらいの人がそこに来ていました。私たちは5種類のお酒を飲みました。どれもみなとてもおいしかったのですが、私にはその違いがよく分かりませんでした。お酒を飲みながら味噌も食べました。それから(店の)御主人が私に一杯のポート*をついでくださいました。大変美味でした。御主人は、お酒をいろいろな杯にいれると少しずつ違う味がするのだと教えてくれました。とにかく、私は大変楽しい時間を過ごし、お酒をホントにおいしくいただきました。

*古酒のこと。御主人が「ポートワインのようなもの」と説明なさったのです。

試飲したお酒は5種類とも河内長野の「天の酒」で、目の前に5本の瓶をズラリと並べて甘口から順にガラスの杯に注ぎます。まずは甘口をひと口。「おいしい!」私もメリッサもこれが気に入りました。それから徐々に辛口へと向かい、最後に「阿吽」というお酒をいただきました。この「阿吽」という言葉についてですが、御主人によると、「人はア、といって生まれ、ウン、といって死んでゆく」のだそうです。走馬灯のような灯りの下で、私(たち?)は妙に感動してしまいました。

御主人は銀髪の紳士といった風貌で、博識で実におしゃべり好きな方です。お酒の説明はもちろん丁寧にしてくださるし、私たちが勝手にしゃべっていてもその中に入ってこられていろいろおもしろい話を聞かせてくださいました。御主人によると、ウスターソースはイギリスが日本の醤油を真似てつくったものなのだそうです。(ウスターソース、といえばオーストラリアで「どうしてもせんキャベツにかけて食べたい!」と思って必死で探し回ったのですが、日本のウスターソースとは味が違って結局捨てる羽目になってしまいました。)

話に夢中になってはっと気づくと、私ときたら、どの杯がどのお酒なのか分からなくなってしまっていました。あわてふためく私を見かねて、テーブルの向こうに座っているカップルが、「瓶の並んでいる順番に杯を並べたらいいんですよ。」と温かいアドバイス。「そうしてた んですが分からなくなったんです。」と言うとあきれかえっておられました。酔ってしまったため、ということにしときましょう。メリッサも編Yちゃんも、顔色ひとつ変えておりません。編Yちゃんは、タイで(ホンコンだったかな?)友達と3人でリキュールを4本空けたとか。『よどこん Queen of ザル』の称号を差し上げま しょう。編T氏は、ほろ酔い気分といったところでした。

「ここの空気、澄んでるとお思いになりませんか?」という御主人の言葉に「そういえば…」。床に備長炭を敷きつめてあり、しかもそれを月に一度取り替えるのだそうです。空気は清浄に保たれるし、夏は涼しく冬は暖かい。炭代だけで月にン十万かかり、「女房に怒られてます。」と頭をかいておられました。こだわっているのはそれだけではありません。テーブルと椅子にも逸話があって、吉野杉でつくった酒樽がドロドロになって放置されていたのを拾ってきてきれいにし、それでテーブルと椅子を作ったのだそうです。何百年も生きてきた木のあたたかみが伝わってきます。御主人に拾われて木も喜んでいることだろうと思いました。

そこにあるものひとつひとつがいい雰囲気を醸しだしていて、ひと晩中そこで日本酒を傾けつつ語り合いたいような空間でした。12人くらいで一杯になる店ですので、少人数で行くことをお勧めします。

「うーんこれもおいしい!」要するになんでもおいしいんです。

※お問い合わせは…株式会社島田商店 06-531-8119


Liner Notes by Itoh Keishi

第20回■雨の日に映画館に通うこと

…そういえばその昔、(といってもつい数年前までであったのだが)京福電鉄一乗寺駅付近の商店街の中に「京一会館」という薄汚ない映画館があった。今ほどきれいに区画されていない頃、市場か何かの2階で、細い怪しげな階段を上がっていったところであった。一応名画座なのだが、上映するのがまたどうしようもないマイナーな映画ばかりであって、その分一部の映画ファンには熱狂的に支持されていたものの、客が入らず隔週でポルノ映画を上映していた。私は中学生の頃からよくこの映画館に足を運んでいた。(といってもポルノ映画を見に行っていた訳ではない…)いつも客はおらず、滅多に満員になることはない。早く行くと500円で映画を見ることができたので、私は午前中の初回から足を運んだが、受付に座っているおばさんがよく「兄ちゃん、あんた3人目やで」とか何とか言ってチケットをもぎってくれた。映画の日には、それ以上安くならないかわりに、「兄ちゃん、缶ジュースとココナッツサブレとどっちええ…?」と聞いてサービスしてくれた。
雨の日に場末の映画館に行くのが好きだ。迷い込むようにして入るあの独特の暗闇の中で夢にも似た幻覚を体験すること…。映画が終わって外に出たとき、一眠りした後の幸福感と、夢から覚めた後の少し寂しい感覚が入り交じったまま町を彷徨うこと…。それがなんとなく好きだった。
いつだったか…その映画館が閉鎖される半年くらい前だったと思うが、6月頃の雨の日、毎日のように小津安二郎の映画を見に行ったことがある。映画にいくたびに雨で、観客は必ず数人しかいなかった。
受付のおばさんに。「あんた、今日はだれもこーへんか思ったわ…」と言われて入ると、微かに雨音が聞こえる静かな館内には、驚くような新鮮さと優しさに満ち溢れた映像が広がり、眠りにも似た心地よさに包まれた。小津の映画は何度となく繰り返され、降り続く雨の中、私はまるで布団から這い出ることが出来ずにいるように、映画館の切り離された空間の中で漂っていた。
小津、成瀬、トリュフォー、ルノワール、キューブリック、…上映はいつも同じような人数のまま始まって終わり、私は相変わらず降り続く中を寝覚めのような心地で出ていった。「兄ちゃんまたな」という声を後に、近くにある古着屋に足を向けると、映画ファンの主人がチラシやポスターをくれ、雨宿りしていけという。それでもまだ覚めぬ映画の余韻と雨の匂いを混在させたまま、ゆっくりと京福の電車の駅に向かって歩いていったものである。映画の内容はさることながら、その何ともいえない幸福な余韻を楽しむために、足を運んでいたのかもしれない。

暗闇の中で目を閉じること。…それによって、日差しの中では見えなかった様々なものが心に映じる。そして再び目を開くと同じ町や空気が以前と違った色に見えてくる。…「目を閉ざすこと」と「映画館の暗闇に入ること」、「夢見ること」と「映画を見ること」、そして、「目覚めること」と「映画館から出て空気の匂いを胸に吸い込むこと」はほとんど同じ事なんだ。…よく、そう思いながら歩いた。ことに雨の日は、濡れた町の表情が洗い流された心のように美しく映り、目を閉じていたことによって少しだけ瞳が磨かれたのかもしれない、などと考えたりしてみた。そんなふうに町を歩くと、今見た映画がよりいっそう愛しいもののように感じられてくる…。
…映画館を出る度にそんな気がするのだ…。

P.S 「最近忙しくてめっきり映画を見なくなって…」という社会人にだけは意地でもならないでおこうと思っていた学生時代ではあったが、悔しくもそうなりつつある。昔のように高槻セントラルやシネマ・ヴェリテに頻繁に出没することは難しくなった。(有楽町の数件の名画座や六本木のシネ・ヴィヴィアンにまで出没することもあった)おまけに京一会館も四条コマゴールドなど名画座も無くなってしまった。もちろんビデオである程度のラインナップをカバーすることは出来るのであるが、それでも滅多に上映されない作品にでくわすと(もともと私の観にいく映画はロードショウ公開されるものなど殆どないのだが…)、根性で駆け付けるようにしている。(字幕すらなかったりするような奴もあるが…。)逃避する訳ではないが、あの暗闇の中に座ると深い安堵のた溜め息が漏れてしまうのだ。
時々、ミードの練習の後で私が『第七芸術劇場』に消えていくことがあることをご存じでしょうか…。映画館から出て雨でも降っていようものなら、「あの通り」でさえ本当に美しく輝いて見えることがあるのです。


●木寺洋介のHow do you do?●

前回「5月号は新婚さん特集です」という予告を出しましたが、実際にデータをまとめると、新婚さんだけでなくて、新人は沢山は入るわ、復活はあるわ、引っ越しは多いわ、いなくなった人もいるわで、実にバラエティに富んだ内容になりました。全く、4月は人事の月です。

※本コーナーはプライバシー保護のため、ONLINE版には若干の制限を加えています。


●NEWS●

『椰子の実』記念碑、ついに完成

以前より何度かお知らせしていた、故 大中寅二作曲の歌曲『椰子の実』記念碑が、渥美半島は伊良湖畔についに完成する。建立計画にあたっては、予想を遥かに上回る995名の個人と75団体から熱い賛同と支援が送られ、今月26日に除幕式が開催される。
式典は午前11時より記念碑の前で、地元その他の関係者らによって執り行われ、午後1時30分からは、渥美町文化会館にて「椰子の実コンサート」が催され、地元の6つの合唱団が日本人の心の歌を披露する。

※編集部では、これらの模様を取材し、次号に詳しくレポートする予定です。お楽しみに…。


●遠藤久顕の演奏会情報●

【野比のび太の巻】「音が取れないよ〜。助けてよドラえも〜ん。」「しょうがないなぁ。」〜ピロリロリン!!「オトトレール!これをのむと簡単に音が取れるんだ。」「わ〜スゴイや。早速ジャイアンにのませてみようっと。」「あ、待ってよ。のび太く〜ん!」
May●5月
日程・曜日団体名会場
5・日大阪H・シュッツ合唱団
「柴田南雄・その響きII」
アルティー
6・月 平野忠彦(バリトン)
リサイタル
大阪国際交流センター
11・土トン・コープマン指揮
モーツァルト「レクイエム」
ザ・シンフォニーホール
17・金小沢征爾・歌劇「蝶々夫人」アルカイックホール
18・土喜歌劇楽友協会
ビゼー「カルメン」(〜19日)
…Bass木寺さん・浜中さんが出演します
森ノ宮ピロティ
26・日伊丹混声合唱団伊丹アイフォニックH
June●6月
日程・曜日団体名会場
1・土大阪アカデミー合唱団
ブラームス「ネーニエ」他
森ノ宮ピロティH
関西歌劇団オペラ(〜2日)
「修道女アンジェリカ」他
尼崎アルカイックH
3・月関西学生混声合唱連盟フェスティバルH
8・土大阪府合唱祭(〜9日) 豊中市民会館
19・水エールグリークラブ
(+関学グリー+武庫川女子大)
尼崎アルカイックH
20・木エールグリークラブ(+同志社グリー
+神戸女学院+同志社女子大メサイア研)
同志社女子大
・栄光館
23・日大阪H・シュッツ合唱団
武満徹「風の馬」
いずみホール
30・日フェスティバルH
July●7月
日程・曜日団体名会場
1・月関西大学混声合唱団ひびき
2・火ドミニク・ヴィス リサイタル
(カウンターテナー)
ザ・シンフォニーホール
7・日 ウィーンフォルクスオーパー合唱団ザ・シンフォニーホール
大阪混声合唱団 いずみホール
13・土ヴァチカン・システィーナ
礼拝堂合唱団
ザ・シンフォニーホール
16・火豊中混声合唱団ザ・シンフォニーホール
20・土淀川混声合唱団森ノ宮ピロティH

●NEWS●

よどこん版『メリーポピンズ』の行方

編曲の長田先生の超多忙な生活に加えて、編Tも法人化のメドを見つけ、足掛かりを固めている最中で、メンバーの皆さまには、御迷惑ならびに御心配をおかけしていることかと思います。
楽譜の出版事業につきましても、GW直前に版下が出来上がる始末で、すでに全ページがコピーにて配布されており、今さら印刷製本に投資することへの懐疑の声も上がっています。
また、お約束していた(?)舞台演出の件も、当初より費用に懸念が無かったわけではないのですが、それにも増して編Tのスケジュールが、本番のステージはおろか、日々の練習にも殆ど参加できてない状況で…実施は相当困難な局面にあると言えます。
そこで、甚だ申し訳ありませんが、これまで編Tが抱え込んでいた「よどこんの種々の業務」をメンバーの皆さんに逐次、分担シフトいただかざるを得ない現状です。「我こそは…」と名乗りいただける方は、ぜひマネージャまでご一報ください。(編T)


●WITTY BREAK●遠藤久顕の位相幾何学概論

『サザエさん』のテーマ曲の歌詞を「どら猫→サザエさん、はだし→はだか、サザエさん→マスオさん」と替えると春らしい歌になるよと友達に言ったら「おまえの頭のほうがよっぽど春だ」と言われました。第15回は「ブラックボックス」です。

※本コーナーはONLINE版ではお楽しみいただけません。


●編集後記●


本誌についてのご意見、ご感想をお待ちしています。また、合唱を取り巻く身の回りの愉快な出来事やエピソードなども、あわせてお知らせください。

YPO-VOL.25/Copyright(c)1996, T&T Design Lab.